亡くなった親の家に久しぶりに入ったら、床が見えないほど物が積み上がっていた。自分の住まいがいつの間にか片付けられない状態になり、近所の目も気になる。横浜でゴミ屋敷になった家を抱え、「まず全部片付けないと売れないのでは」と手が止まっている方は少なくありません。
結論から言うと、ゴミや家具・家電が残ったままでも、不動産会社に買い取ってもらえる場合は多くあります。片付けに何十万円も先に払う前に、現状のまま査定を受けてから考えても遅くありません。
この記事では、どこまで汚れていても相談できるのか、処分費用は誰が負担するのか、手取りで損をしない比べ方、相続や遠方などの状況別の進め方、近所に知られにくい売り方までをまとめました。
横浜のゴミ屋敷は片付けずにそのまま買取してもらえる
横浜のゴミ屋敷は、ゴミや不用品を片付けないまま、不動産会社に買い取ってもらえる場合があります。買取業者は、残された物を自社で処分し、建物を直すか解体してから売り出す前提で値段を付けるからです。
ただし「どんな家でも必ず買い取ってもらえる」わけではありません。売却できる可能性があることと、買取が保証されていることは別の話です。最終的に買い取るかどうか、いくらで買うかは、現地を見たうえで業者ごとに判断します。ここでは、ゴミが残っていても買取の対象になる理由と、買取の仕組みを説明します。
ゴミや家具・家電が大量に残っていても買取できる理由
買取業者にとって、室内のゴミや家具・家電は「処分すれば消える問題」です。処分にかかる費用と手間を見積もり、その分を買取価格に織り込めば、ゴミが残ったままでも採算が合います。
一般の買主は、住むための家を探しています。床が見えない家や、においが残る家を内覧すると、多くの人は購入を見送ります。片付けや清掃を自分で手配する手間を引き受けてまで買う人はまれです。
これに対して買取業者は、片付け業者や解体業者と日頃から取引があり、処分の段取りと費用の見当がつきます。売主が業者を探して何度も立ち会う必要がなく、残置物の分別や運び出しも業者側でまとめて手配できるのはこのためです。
一方で、ゴミの量や建物の傷みが大きいほど、処分費や修繕費が増え、その分だけ買取価格は下がります。ゴミが残っていても買取はできる、ただし価格にはその状態が反映される、と考えておくと、査定額を見たときに戸惑いません。
不動産会社による直接買取の仕組み
不動産の売り方には、不動産会社に一般の買主を探してもらう「仲介」と、不動産会社自身が買主になる「買取」があります。ゴミ屋敷で使われるのは主に後者の直接買取です。
直接買取の流れは次のとおりです。
- 売主が不動産会社に査定を依頼する
- 担当者が現地を見て、処分費・修繕費・再販売の見込みから買取価格を出す
- 価格と条件に納得すれば、売主と不動産会社が直接売買契約を結ぶ
- 代金を受け取って引き渡す。残置物の処分は、契約で決めた範囲を業者が行う
買主は不動産会社1社だけなので、購入希望者が現れるのを待つ期間がありません。仲介ではないため、仲介手数料もかかりません。
買い取った家は、業者が片付け・清掃・リフォームをして中古住宅として売り出したり、解体して土地として売り出したりします。買取価格が相場より低めになるのは、この工事費と、売れるまでの期間に業者が負うリスクが差し引かれているためです。価格の決まり方は後半の「費用と売却価格」で詳しく説明します。
どこまで汚れていても大丈夫?ゴミ屋敷の状態別に買取の可否を解説
ゴミの量が多いことだけを理由に、買取を断られることはほとんどありません。査定で見られるのは、ゴミの量に加えて、建物がどこまで傷んでいるか、においやカビ・害虫がどの程度か、といった衛生状態です。
状態ごとに、買取の可否と査定でどこを見られるかを整理しました。
床が見えないほどゴミが積み重なっている家
床が見えない、部屋の奥まで入れないという状態でも、買取の相談はできます。業者は入れる範囲を確認し、残りは間取り図や写真、外観から物の量と建物の状態を見積もります。
査定に響くのは、ゴミそのものより、ゴミに隠れた床や壁の状態です。重い物が長く積み上がった床は、たわみや腐食が進んでいることがあります。生ゴミや飲み残しが混ざっていると、床材の下まで汚れが染みている場合もあります。業者はこうした傷みを想定し、片付けたあとに必要になる工事費も含めて価格を出します。
部屋に入れないからといって、査定の前に無理に片付ける必要はありません。物が崩れてけがをするおそれもあるため、入れる範囲だけ案内すれば十分です。
悪臭・カビ・害虫が発生している家
強いにおいやカビ、ゴキブリ・ネズミなどの害虫が出ている家も、買取の対象になります。業者は、消臭・除菌などの特殊清掃や害虫の駆除までを工事に含めて考えるからです。
ただ、においやカビが壁紙の裏、床下、柱にまで染み込んでいると、表面の清掃では取り切れず、内装をはがして張り替える工事が必要になります。その場合は修繕費が大きくなり、建物を残すより解体したほうが安い、と判断されることもあります。その場合、建物の価値は見込まれず、土地の価値から解体費などを差し引いた価格になります。
害虫の駆除をすると、虫が近隣に移って苦情につながることがあります。駆除の時期や方法を近隣に配慮して進められるかも、業者に確認しておきたい点です。
雨漏り・腐食・設備の故障がある家
雨漏り、柱や土台の腐食、給排水管の故障、トイレや浴室が使えないといった不具合がある家も、買取の対象です。ゴミ屋敷では長いあいだ点検や修理ができていないため、こうした不具合が重なっていることが珍しくありません。
業者は、不具合を直す費用を見積もったうえで価格を出します。柱や土台まで傷んでいて直すより建て替えたほうが早い家は、土地として評価されます。
査定のときは、わかっている不具合をそのまま伝えてください。隠していても、引き渡し後に見つかれば売主の責任を問われることがあります。告知の考え方は後半の「注意点」で説明します。
ゴミが庭や敷地外まであふれている家
ゴミが庭や駐車場、さらに道路や隣地にまであふれている家も、相談はできます。ただし、敷地の外に出ている物は、ほかの物件とは扱いが変わり、個別の対応が必要です。
敷地外の物は、近隣や道路の管理者との関係が絡みます。隣地の塀や植栽を傷めていないか、道路の通行を妨げていないかによって、売却より先に撤去を求められることもあります。業者によっては、敷地外の物の撤去は対象外とする場合や、近隣への説明を売主側に求める場合があります。
すでに近隣から苦情が出ている、区役所から連絡が来ているといった事情がある場合は、査定の申し込みの段階で伝えてください。行政から対応を求められている場合の進め方は、後半の「注意点」で詳しく扱います。
相続した実家や住んでいるゴミ屋敷もそのまま買取できる?
相続した実家でも、今住んでいる家でも、ゴミ屋敷のまま買取の相談はできます。ただ、売主の立場によって、売る前に整えておくことが変わります。
相続した家なら名義と遺品、住んでいる家なら退去の時期、遠方なら立ち会いの回数、共有名義なら全員の同意が、それぞれ売却を進めるうえでの要点になります。
親から相続した実家がゴミ屋敷だった場合
相続した実家を売るには、まず家の名義を相続人に移す相続登記が必要です。亡くなった親の名義のままでは、売買契約を結んでも買主に名義を移せません。
相続登記は、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請することが義務になっており、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります(法務省)。売却の予定がある場合は、司法書士に依頼して査定と並行して進めるのが一般的です。買取業者の多くは、提携の司法書士を紹介できます。
遺品の扱いでは、相続放棄を考えているかどうかで注意点が変わります。親に借金がある場合など、相続放棄を検討しているなら、遺品を処分したり家を売ったりする前に立ち止まってください。民法では、相続人が相続財産を処分すると、相続を承認したものとみなされます(民法921条)。そうなると、相続放棄ができなくなるおそれがあります。
相続放棄は、原則として相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てる必要があります(民法915条)。腐った食品や明らかなゴミを捨てるだけなら問題になりにくいとされていますが、判断に迷うときは、物を動かす前に弁護士や司法書士に相談してください。
現在も住んでいるゴミ屋敷を売却したい場合
住んでいる家も、ゴミ屋敷の状態のまま買取の相談ができます。住みながら査定を受け、契約を結び、引き渡しの日までに退去する流れです。
決めておきたいのは、退去の時期と引っ越し先です。買取では、契約から引き渡しまでの日程を売主の事情に合わせて調整できることが多く、引っ越し先が決まってから引き渡す、という段取りも組めます。
持っていく物と残していく物の線引きも、契約前に決めます。引っ越し先に持っていく物だけを先に運び出し、残りは業者に処分してもらう形にすれば、片付けの負担を最小限にできます。どこまでを残してよいかは業者によって違うため、「家具・家電・衣類をすべて残してよいか」を具体的に確認してください。
売却代金を引っ越し費用や新居の初期費用に充てたい場合は、決済日と引っ越し日の順番も業者と相談しておくと安心です。
遠方に住んでいて横浜の実家を片付けられない場合
横浜から離れた場所に住んでいて実家に通えない場合でも、買取なら売却を進められます。片付けに何度も通う必要がないことが、遠方の方にとって買取を選ぶ一番の理由になります。
業者によっては、査定の現地調査に売主が立ち会わず、鍵を預けて進められます。契約書のやり取りを郵送で行い、決済も代金の振り込みで済ませれば、横浜に行くのは1回か、まったく行かずに済むこともあります。
確認しておきたいのは、どの場面で立ち会いが必要かと、そのときの交通費や出張費を誰が負担するかです。貴重品や書類を探す作業だけは、売主本人か親族が行うのが望ましいため、業者に探索を手伝ってもらえるかも聞いておくとよいでしょう。
共有名義や相続人が複数いるゴミ屋敷の場合
家が兄弟などの共有名義になっている場合、家全体を売るには共有者全員の同意が必要です(民法251条)。1人でも反対している人がいると、家全体の売買契約は結べません。
相続登記がまだで、相続人が複数いる場合も同じです。誰が家を相続するかを遺産分割協議で決めるか、全員の共有として登記したうえで、全員が売却に同意する必要があります。
ゴミ屋敷の場合、「誰が片付けるのか」「片付け代を誰が出すのか」で相続人どうしの話がまとまらず、売却が止まりがちです。現状のまま買い取ってもらえば、片付け代を立て替える人を決める必要がなく、売却代金を持分に応じて分けるだけで済むため、合意を取りやすくなります。
連絡がつかない共有者がいる、どうしても同意してもらえないといった場合は、自分の持分だけを買い取る業者もあります。ただし持分だけの売却は価格が大きく下がるため、まずは全員での売却を目指すのが基本です。
ゴミ屋敷をそのまま買取してもらう場合の費用と売却価格
ゴミ屋敷を現状のまま売る場合、売主が気にするべき数字は査定額ではなく、すべての費用を払ったあとに手元に残る金額です。処分費用をどちらが負担するか、価格にどう反映されるかは業者によって違います。
ここでは処分費用の負担パターン、価格を左右する条件、手取り金額の確かめ方を順に説明します。ゴミの量や建物の状態で費用は大きく変わるため、一律の相場では判断できません。必ず個別の見積もりで確認してください。
ゴミの撤去・処分費用は誰が負担する?
ゴミの撤去・処分費用の扱いは、大きく分けて次の3つのパターンがあります。
| パターン | 中身 | 確認する点 |
|---|---|---|
| 買取価格から差し引く | 業者が処分費を見積もり、その分を引いた金額を買取価格として提示する | 差し引いた処分費の金額を示してもらえるか |
| 処分費無料をうたう | 売主の請求はゼロ。処分費は買取価格の計算の中に織り込まれている | 「無料」の範囲(敷地外・庭木・危険物を含むか) |
| 別途請求する | 買取価格とは別に、処分費を売主が支払う | 請求のタイミング(決済時の相殺か、先払いか)と、見積もりより増えた場合の扱い |
注意したいのは、「処分費無料」が「処分費の分だけ得をする」とは限らないことです。業者は処分にかかる費用を必ずどこかで回収するため、無料をうたう業者の買取価格が、差し引き型の業者より高いとは限りません。
どのパターンでも、比べるべきは最終的な手取りです。「処分費込みで◯◯万円」「処分費別で◯◯万円」と条件の違う提示が並んだら、同じ物差しに直して比べます。
ゴミ屋敷の買取価格を左右する条件
ゴミ屋敷の買取価格は、普通の家と同じ要素に、ゴミ屋敷ならではの要素が加わって決まります。
立地と土地の広さは、価格の土台になります。業者は最終的に再販売して利益を出すため、駅からの距離や周辺の住宅需要、土地の面積と形が、価格に最も大きく響きます。ゴミ屋敷でも、立地がよく土地に価値がある家は、処分費を差し引いても十分な値段が付きます。
建物の状態は、修繕して使えるか、解体するかの分かれ目になります。においや腐食が構造部分まで及んでいると、解体を前提にした価格になります。
残置物の量と中身は、処分費の大きさを決めます。量に加えて、分別の手間、家電リサイクル法の対象になるエアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の台数、スプレー缶や薬品などの扱いに注意が要る物の有無も費用に影響します。
横浜ならではの事情として、搬出のしやすさがあります。坂の上や階段の上にある家、車が入れない狭い道の奥にある家では、トラックを家の前に付けられず、人手で運び出す距離が長くなります。そのぶん作業員の人数と日数が増え、処分費が上がります。解体する場合も、重機が入れなければ手作業での解体になり、費用はさらにかさみます。
接道条件も見られます。建物を建てるには、原則として幅4m以上の道路に敷地が2m以上接している必要があります(建築基準法43条)。この条件を満たさない家は建て替えができない「再建築不可」となり、再販売しにくいため価格が下がります。崖に近い家では、横浜市建築基準条例のいわゆる「がけ条例」で、建て替えの際に擁壁などが求められることがあり、これも価格に響きます。
査定額だけでなく最終的な手取り金額を確認する
手取り金額は、次の式で確かめます。
手取り金額 = 買取価格 −(売主が別途払う処分費・解体費)− 登記費用・印紙代などの諸費用 − ローン残債(ある場合)
説明のための仮の数字で比べてみます。
| A社 | B社 | |
|---|---|---|
| 提示された買取価格 | 1,500万円(処分費差し引き済み) | 1,600万円 |
| 売主が別途払う処分費 | 0円 | 150万円 |
| 手取り(諸費用を除く) | 1,500万円 | 1,450万円 |
提示額だけ見ればB社が100万円高く見えますが、処分費を払うと手取りはA社のほうが50万円多くなります。
契約後に金額が変わる条件も見落とせません。「室内の物の量が見積もりより多かった」「床下に想定外の腐食があった」などを理由に、決済の直前で減額や追加請求をされると、手取りの計算が崩れます。契約書に、追加費用や減額が発生する条件が書かれていないかを確かめてください。
譲渡所得税は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いて利益が出た場合にかかります。相続した空き家には、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例もあるため、該当しそうな場合は税理士か税務署に確認してください。
ゴミ屋敷は片付けてから売るべき?そのまま買取との違い
片付けてから仲介で売るか、片付けずに買い取ってもらうかは、片付けにかかるお金と時間を、売却価格の上乗せで取り戻せるかで決まります。片付ければ必ず高く売れるとは限らず、費用に見合わないことも少なくありません。
それぞれのメリット・デメリットと、どちらが得かを数字で判断する方法を説明します。
片付けてから仲介で売却するメリット・デメリット
片付けて清掃したうえで仲介に出すと、一般の買主にも家を見てもらえるようになり、条件がよければ買取より高い価格で売れる可能性があります。立地がよく、建物の傷みが少ない家ほど、このメリットは大きくなります。
デメリットは、売れるまで費用と時間を先に負担し続けることです。
- 片付け・清掃の費用を、売れる前に自分で払う必要がある
- 業者の手配や立ち会いに、何度も時間を取られる
- 売り出してから買主が決まるまで、数か月以上かかることがある
- 売れるまでの固定資産税や管理の手間が続く
- 売却価格に応じた仲介手数料がかかる(400万円を超える物件は、売買価格×3%+6万円+消費税が上限)
- 引き渡し後に見つかった不具合について、売主が責任を負うのが原則
片付けても、においや床・壁の傷みが残っていれば、内覧で敬遠されたり大きな値引きを求められたりします。片付けた結果、建物の傷みが想像以上だとわかり、結局は買取に切り替えるケースもあります。
片付けずにそのまま買取してもらうメリット・デメリット
そのまま買取の最大のメリットは、片付けのお金と手間を先に負担せずに、短い期間で売却を終えられることです。
- 片付け・清掃の費用を先に払わずに済む
- 買主を探す期間がなく、日程の見通しが立てやすい
- 仲介手数料がかからない
- 一般向けの売り出しや内覧がないため、近所に知られにくい
- 契約不適合責任を免責にする特約を付けられることが多い
デメリットは、価格が仲介で売れた場合の相場より低くなることです。業者が負担する処分費・修繕費と、再販売までのリスクが差し引かれるためです。立地がよく建物の状態もよい家ほど、仲介との価格差は大きくなりやすいため、そうした家では仲介の査定額とも比べてから決めるのが賢明です。
片付け費用と売却価格を比較して判断する方法
どちらが得かは、それぞれの手取りを並べて比べます。
片付けて仲介の手取り = 仲介での売却価格 − 片付け・清掃費 − 仲介手数料 − 売れるまでの維持費(固定資産税など)
そのまま買取の手取り = 買取価格 − 売主が別途払う処分費
比べるために、同じ時期に次の2つの見積もりを取ります。
- 不動産会社から、片付けた後を前提にした仲介の査定額と、現状のままの買取価格を出してもらう
- 片付け業者から、家全体の片付け・清掃の見積もりを取る
仲介の査定額は「その価格で売れる見込み」であって、その価格で売れる保証ではありません。売り出し後に値下げすることも多いため、仲介の手取りは少し控えめに見積もっておくのが現実的です。
計算して仲介のほうが大きく上回るなら片付けてから仲介、差が小さいか買取のほうが多いなら、そのまま買取を選ぶと、時間と手間の面でも得になります。
そのまま買取が向いている人の特徴
次の項目に多く当てはまるなら、そのまま買取が向いています。
- 片付け費用を先に用意するのが難しい
- 片付けに通う時間や体力がない
- 半年以上かけて買主を待つより、早く手放したい
- 近所に知られずに売りたい
- 建物の傷みが大きく、売った後の責任を負いたくない
- 片付けや費用の分担で、家族の話がまとまらない
横浜のゴミ屋敷を近所や周囲に知られず売却する方法
不動産会社の直接買取なら、一般の購入希望者を集める売り出しや内覧を省けるため、仲介に比べて近所に知られにくくなります。ただし、現地調査やゴミの搬出、解体などの作業は家の前で行うため、まったく知られずに済むとは限りません。
知られにくくするための工夫を、場面ごとに説明します。
不動産買取なら一般向けの売却広告や内覧を省ける
仲介で売る場合は、不動産ポータルサイトへの掲載やチラシ、現地の看板などで買主を募ります。家の写真や所在地の一部が公開され、購入希望者が何組も内覧に訪れるため、近所の人の目に留まりやすくなります。
直接買取では、買主は不動産会社1社です。一般向けの売り出しをしないため、家の情報がインターネットに載ることも、見知らぬ人が何度も出入りすることもありません。
ただし、業者が買い取ったあとに再販売するときは、業者が売主として情報を公開します。その時点では、すでに所有者は業者に移っています。
室内を見せるのが恥ずかしい場合の査定の受け方
ゴミ屋敷の買取を扱う業者にとって、物があふれた室内は見慣れた光景です。恥ずかしさから状態を軽く伝えると、現地で想定より多い物量や傷みが見つかり、価格を見直すことになりがちです。最初から正直に伝えたほうが、提示額がぶれにくくなります。
それでも抵抗がある場合は、段階を踏んで査定を受ける方法があります。
- 住所・間取り・築年数と、室内の写真を数枚送って概算の査定を受ける
- 概算の内容に納得できた業者だけに、現地調査を依頼する
- 現地調査では、入れる範囲だけ案内する。立ち会いがつらければ、鍵を預けて任せる
写真を撮るのが難しい場合は、「床が見えない部屋が何部屋あるか」「台所や浴室が使えるか」などを言葉で伝えるだけでも、概算は出せます。
近隣に配慮して現地調査やゴミの搬出を進めるには
現地調査は、業者の担当者が1〜2人で訪れる程度なので、目立つことはあまりありません。社名の入っていない車で来てもらえるか、作業着ではなく私服で来てもらえるかを相談できる業者もあります。
目立ちやすいのは、ゴミの搬出と解体の作業です。トラックを家の前に停め、作業員が何人も出入りするため、近所の人に気づかれることは避けにくいと考えておいてください。横浜の坂や狭い道沿いの家では、トラックを離れた場所に停めて運ぶことになり、作業が数日に及ぶこともあります。
搬出の作業は、多くの場合引き渡しの後に業者が行います。引き渡し後であれば、売主が立ち会う必要はなく、近所の人と顔を合わせることもありません。作業の時間帯や、近隣へのあいさつを業者がしてくれるかも、契約前に確認しておくと安心です。
横浜でゴミ屋敷の買取業者を選ぶときのポイント
ゴミ屋敷の買取業者は、提示額の高さだけで選ぶと、処分費の追加請求や引き渡し後の責任で手取りが目減りすることがあります。比べるべきは、価格に加えて、残置物の処分範囲、費用の負担、契約条件までを含めた買取条件の全体です。
次の4点を確認すると、条件のよい業者を選びやすくなります。
ゴミ屋敷や残置物がある不動産の買取実績を確認する
ゴミ屋敷の買取実績がある業者は、物量と傷みから処分費・修繕費を見積もる精度が高く、現地調査のあとで価格が大きくぶれにくくなります。実績が少ない業者は、見積もりの誤差に備えて価格を低めに出したり、契約後に追加費用を求めたりしがちです。
実績は、ホームページの事例紹介で、ゴミ屋敷や残置物のある家の買取例が載っているかで確かめられます。横浜の物件の事例があれば、坂や狭い道での搬出にも慣れていると判断できます。
問い合わせの際に「床が見えない状態の家を買い取ったことはありますか」「横浜市内での事例はありますか」と聞くのも有効です。具体的な事例をすぐに説明できる業者は、経験がある証拠です。
ゴミの撤去・処分をどこまで対応してもらえるか確認する
「そのままで大丈夫です」という言葉だけで判断せず、処分してもらえる範囲を具体的に確認してください。業者によって、対応範囲には次のような違いがあります。
| 確認する項目 | 業者によって分かれる対応 |
|---|---|
| 室内の家具・家電・生活ゴミ | ほぼすべての業者が対応 |
| 家電リサイクル法の対象家電 | 対応する業者と、リサイクル料金を別途求める業者がある |
| 庭や物置、ベランダの物 | 室内だけが対象の業者もある |
| 敷地の外にあふれた物 | 対象外とする業者がある |
| 庭木・雑草 | 伐採や抜根まで含むかは業者による |
| 特殊清掃・消臭・害虫駆除 | 自社で行う業者と、外部に頼んで費用を差し引く業者がある |
| 貴重品・書類の探索 | 処分の前に探して渡してくれる業者と、探索は売主任せの業者がある |
対応範囲は、口頭ではなく契約書や覚書に書いてもらいます。「引き渡し時に残っている物は、買主が自己の費用で処分する」といった一文があれば、引き渡し後に処分費を請求される心配がなくなります。
追加費用の有無と契約不適合責任の免責を確認する
追加費用は、契約書に「追加費用は発生しない」と明記してもらうのが確実です。「残置物の量が想定を超えた場合」「地中から埋設物が見つかった場合」などの条件で増額や減額をする条項がないかも確かめます。
追加費用と同じくらい手取りに響くのが、契約不適合責任の扱いです。契約不適合責任とは、引き渡した家が契約の内容と違っていた場合に売主が負う責任のことで、買主は修補、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められます(民法562条〜564条)。特約がなければ、買主は不適合を知った時から1年以内に売主へ通知すれば、これらを求められます(民法566条)。ゴミ屋敷は、床下の腐食やシロアリ、配管の故障など、物に隠れて売主自身も把握していない不具合を抱えていることが多く、引き渡し後に責任を問われると手取りが大きく減りかねません。
買取では、この責任を売主が負わない「免責」の特約を付けられることが多くあります。宅建業法40条は、不動産会社が売主になって個人に売る場合の免責特約を制限していますが、個人が売主で不動産会社が買主になる取引には適用されないためです。仲介で一般の個人に売る場合は、免責にすると買主が付きにくく、責任を負う期間を短くする程度にとどめるのが一般的です。
ただし、免責の特約を付けても、売主が知っていながら告げなかった不具合については、責任を免れません(民法572条)。免責は「知らなかった不具合」に対する備えであって、わかっている不具合を伝えなくてよいという意味ではない点に注意してください。
複数の業者に査定を依頼して買取条件を比較する
査定は2〜3社に依頼して、条件を並べて比べるのが基本です。ゴミ屋敷は業者によって処分費の見積もり方や再販売の方針が違うため、同じ家でも提示額が大きく分かれることがあります。
比べるときは、次の項目を同じ表に書き出すと、条件の違いがひと目でわかります。
- 買取価格と、処分費の扱い(差し引き/無料/別途請求)
- 処分してもらえる範囲
- 追加費用・減額の条件の有無
- 契約不適合責任の免責の有無
- 引き渡しまでの期間と、日程の融通
- 立ち会いが必要な回数
提示額が他社より極端に高い業者は、契約後の減額や追加費用を前提にしていることがあります。高い理由を聞いて、根拠を説明できるかを確かめてください。査定を受けたからといって、その業者に売る義務はありません。条件が合わなければ、断っても問題ありません。
横浜のゴミ屋敷を片付けずに売却するまでの5ステップ
ゴミ屋敷を売るとき、最初に片付けを始める必要はありません。現状のまま査定を受け、価格と条件を見てから、片付けるか、そのまま売るかを決められます。
査定の申し込みから引き渡しまでの流れを、5つのステップで説明します。
最初に、家の名義が誰になっているかを確かめます。法務局で登記事項証明書を取得すると、所有者の名前がわかります。手元に固定資産税の納税通知書があれば、それでも見当がつきます。
名義が亡くなった親のままなら、相続登記が必要です。相続人が複数いる場合は、誰が相続するか、全員が売却に同意しているかもこの段階で確かめておきます。
あわせて、家の状態を把握できる範囲で整理しておきます。床が見えない部屋の数、雨漏りや設備の故障、においや害虫の有無、敷地の外まで物が出ていないか、近隣から苦情が来ていないかなどを書き出しておくと、査定の申し込みがスムーズです。
業者に処分を任せる前に、捨てられては困る物を確保します。ゴミ屋敷では、大事な物がゴミに紛れていることが多く、処分が始まってからでは取り戻せません。
最優先で探したいのは次の物です。
- 預金通帳・キャッシュカード・印鑑
- 登記済権利証または登記識別情報(売却の手続きで必要)
- 固定資産税の納税通知書、建築時の図面、測量図
- 保険証券、年金や株式などの書類
- 現金、貴金属、ローンや借入の契約書
- 写真やアルバムなど、思い出の品
相続した実家の場合、借入の契約書や督促状が見つかったら、相続放棄を検討する材料になります。相続放棄を考えているなら、この段階では価値のある物を処分・売却せず、写真を撮って一覧にとどめるのが安全です。
物が多すぎて自分では探しきれない場合は、処分の前に貴重品を探してくれる業者や、遺品整理業者に探索だけを頼む方法もあります。
貴重品を確保したら、ゴミが残ったままの状態で査定を依頼します。査定のために片付けると、その費用は戻ってきません。
申し込みの際は、STEP1で書き出した家の状態を正直に伝えます。写真で概算を出してもらい、条件が合いそうな業者に現地調査を頼むと、立ち会いの回数を減らせます。
複数の業者に依頼するときは、同じ情報を同じように伝えると、提示額を公平に比べられます。
各社から提示が出そろったら、買取価格と処分費用の扱い、契約条件を確認します。処分費を差し引いたあとの手取りで比べ、追加費用の有無や契約不適合責任の免責もあわせて確かめます。
確認する項目の詳細は、前の「業者を選ぶときのポイント」で説明したとおりです。条件に納得できる業者が見つかったら、契約に進みます。
売買契約を結び、決められた日に代金を受け取って家を引き渡します。契約と決済を同じ日に行うこともあれば、相続登記の完了や引っ越しを待って、契約から決済まで日を空けることもあります。
決済の日には、所有権を業者に移す登記と、代金の支払いを同時に行います。住宅ローンが残っている場合は、売却代金で残りを返して、抵当権を抹消する手続きも同じ日に行います。
引き渡しが済めば、残置物の処分や解体は業者が行います。売主が立ち会う必要はありません。その年の固定資産税の精算や、翌年の確定申告が必要かどうかも、決済の前に確認しておきましょう。
横浜でゴミ屋敷をそのまま買取してもらう際の注意点
そのまま買取は売主の負担が少ない売り方ですが、売主が伝えるべきことを伝えていないと、引き渡しの後にトラブルになります。とくに注意したいのは、処分してよい物の範囲、わかっている不具合、近隣や行政との関係の3つです。
残置物の所有権や処分範囲を明確に伝える
家の中の物は、ゴミに見えても誰かの持ち物です。業者は売主の指示に従って処分するため、処分してはいけない物が混ざっていないかを伝えるのは売主の役目です。
伝えておきたいのは、次のような物です。
- 他人の物:親族や知人から預かっている物、同居していた家族の持ち物
- リース品・レンタル品:ガス給湯器、ウォーターサーバー、介護用ベッド、インターネットの機器など。処分すると、所有者である会社から弁償を求められることがある
- 残したい物:遺品として取っておきたい物、引っ越し先に運ぶ物
リース品やレンタル品は、契約書や機器に貼られたシールで所有者を確かめ、解約と返却の手続きを済ませてから引き渡します。残したい物は、処分の前に運び出すか、業者に「この部屋の物は処分しない」などと具体的に伝え、書面に残してもらいます。
雨漏りやシロアリなど把握している不具合は告知する
売主が知っている不具合は、契約の前に業者へ伝えます。これを告知といいます。雨漏り、シロアリの被害、柱や床の腐食、給排水管の故障、傾きなどが代表的です。
告知が大切なのは、契約不適合責任の免責特約を付けても、知っていながら告げなかった不具合は責任を免れないためです。ゴミ屋敷では、物に隠れて売主自身も把握していない不具合がありますが、それは免責で守られます。守られないのは、知っていて黙っていた不具合です。
伝えるときは、いつ頃から、どの場所で、どんな症状があるか、修理をしたことがあるかを、わかる範囲で書面にまとめておくと確実です。家の中で人が亡くなったことがある場合は、国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が告知の目安になります。迷う場合は、伝えたうえで業者の判断を仰ぐのが安全です。
近隣トラブルや行政からの指導がある場合は相談時に伝える
近隣から苦情が来ている、区役所から連絡や訪問があったといった事情は、査定の相談の段階で伝えてください。売却の進め方や引き渡しの時期に関わるためです。
横浜市には、いわゆる「ごみ屋敷」対策条例(横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例)があり、平成28年12月1日から施行されています。物がたまって悪臭や害虫、崩落・火災のおそれが生じ、近隣の生活環境が損なわれている状態を「不良な生活環境」とし、その解消に向けた支援と措置を定めています。
横浜市の対応は、本人や親族による片付けへの支援が基本です。本人の同意を得て、市がごみの排出を支援する仕組みもあります。一方、周辺住民の生命や身体に深刻な影響が出るおそれがあり、再三の働きかけに応じない場合は、指導・勧告・命令、さらに代執行が行われることがあります。個別の相談窓口は各区の福祉保健課です。
行政から対応を求められている場合は、売却を進めることと並行して、区の担当者に次の点を確認しておきます。
- いつまでに、どの程度の改善を求められているか
- 売却して所有者が変わる予定であることを伝え、引き渡しまでの対応をどうするか
- 敷地の外にあふれた物など、売却より先に片付けるべき物があるか
売却の予定を区の担当者に伝え、業者にも行政とのやり取りの内容を共有しておくと、引き渡しまでの段取りを組みやすくなります。
横浜のゴミ屋敷買取に関するよくある質問
ここまでの本文で扱わなかった疑問に、短く答えます。
まとめ|横浜のゴミ屋敷は片付ける前に買取査定を受けよう
横浜でゴミ屋敷になった家は、片付けを始める前に、現状のまま買取査定を受けるのが損をしにくい順番です。
- ゴミや家具・家電などの不用品を残したまま、不動産会社に買い取ってもらえる場合がある
- 先に片付けても、片付け費用に見合うほど売却価格が上がるとは限らない
- 比べるのは提示額ではなく、ゴミの処分費用を含めた最終的な手取りと、追加費用・契約不適合責任の免責などの契約条件
- 横浜のゴミ屋敷に対応する買取業者へ、現状のまま相談する
迷ったら、まず通帳や権利証などの貴重品と書類だけを確保し、ゴミ屋敷の買取実績がある業者2〜3社に、片付けないままの状態で査定を依頼してみてください。処分費の扱いと手取りを並べて見れば、片付けるべきか、そのまま売るべきかの答えが自然と見えてきます。

