横浜の傾いた家は買取できる?修理せず売る価格の目安と注意点

横浜の傾いた家は買取できる?修理せず売る価格の目安と注意点

ビー玉が転がる床、閉まりにくくなった建具、外壁や基礎のひび。横浜の坂の多い住宅地で家の傾きに気づくと、「修理しないと売れないのでは」「足元を見られて安く買いたたかれるのでは」と心配になるものです。

結論から言うと、傾いた家は修理も解体もしないまま、不動産買取業者に買い取ってもらえます。買取業者は傾きの直し方や解体の費用まで見込んだうえで価格を出すため、売主が先に数百万円をかけて直す必要はありません。

この記事では、買取価格がどう決まるのか、修理してから売る場合との損得、がけ地や擁壁、再建築不可といった横浜ならではの条件の扱い、売却後のトラブルを防ぐ契約のポイントまで順に説明します。読み終えるころには、査定を申し込む前に何を準備すればよいかがわかります。

目次

横浜の傾いた家は修理・解体しなくても買取できる

横浜の傾いた家は、修理や解体をしないそのままの状態で買い取ってもらえます。買取業者は、買い取った家を自社で直すか、解体して土地として売り出すことを前提に価格を決めるからです。

床の傾き、地盤沈下、建物の一部だけが沈む不同沈下のどれが原因でも、買取の対象から外れることはまずありません。ここでは、どんな傾きなら買取対象になるのかと、買取と仲介のどちらが傾いた家に向いているのかを整理します。

床の傾き・地盤沈下・不同沈下がある家も買取対象になる

傾きの原因や程度にかかわらず、傾いた家は買取の対象になります。一般の買主は住むための家を探しているので、傾きがあると敬遠しがちです。これに対して買取業者は、直したり建て替えたりして再販売するプロなので、傾きを「工事で解消できる問題」として価格に織り込めます。

傾きの程度をはかる物差しとして、不動産取引では国土交通省の「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」がよく使われます。床なら3m程度以上離れた2点、壁や柱なら2m程度以上の長さで測った傾きについて、次のように区分しています。

傾きの大きさ構造上の欠陥がある可能性床3mあたりの高低差
1000分の3未満低い9mm未満
1000分の3以上1000分の6未満一定程度ある9mm以上18mm未満
1000分の6以上高い18mm以上

この基準は本来、新築住宅の紛争処理のために作られたものです。ただ、中古住宅の取引でも「どこからが問題のある傾きか」を判断する参考値として広く使われ、買取業者の査定でも目安になります。

1000分の6を超える傾きや、基礎が沈んでいる不同沈下でも、買取業者なら値段を付けられます。原因が建物の劣化なのか地盤なのか、売主がわかっていなくても査定は受けられます。

買取と仲介の違い|傾いた家にはどちらが向いている?

傾いた家を早く確実に手放したいなら、買取が向いています。仲介は不動産会社が一般の買主を探す方法で、買取は不動産会社自身が買主になる方法です。

比較項目買取仲介
買主不動産会社一般の個人
売れるまでの期間早ければ2週間前後数か月〜1年以上かかることも
価格市場価格より低め条件が合えば市場価格に近い
修理・解体不要(現状のまま)買主に好まれるよう求められやすい
仲介手数料かからないかかる(400万円超の物件は売買価格×3%+6万円+消費税が上限)
売却後の責任免責の特約にできることが多い売主が責任を負うのが原則

仲介で傾いた家を売ろうとすると、内覧で傾きに気づいた買主が購入を見送ったり、修理費の分を大きく値引きするよう求めたりしがちです。住宅ローンを使う買主の場合、建物の状態によっては金融機関の評価が下がり、借りたい金額を借りられないこともあります。結果として、売り出しから半年、1年と過ぎても買主が決まらないケースが珍しくありません。

一方、価格を少しでも高くしたい、急いでいない、傾きが軽く床の張り替え程度で直る、という条件がそろうなら、仲介を検討する余地もあります。迷うときは、仲介の査定額と買取の査定額を両方出してもらい、差額と売れるまでの期間を比べて決めると判断しやすくなります。

横浜の傾いた家はいくらで売れる?買取価格の目安

傾いた家の買取価格は、傾きのない同じ条件の家の市場価格(仲介で売れる価格)の6〜8割程度が一つの目安です。そこから、傾きを直す費用や解体費用の分が差し引かれます。

「安すぎるのでは」と感じる方も多いのですが、買取価格は業者の気分で決まるわけではありません。計算の仕組みを知っておくと、提示された金額が妥当かどうかを自分で判断できます。

傾いた家の買取価格が決まる4つの要素(傾きの程度・築年数・立地・土地の価値)

買取業者は、おおむね次の式で買取価格を考えます。

買取価格 ≒ 再販売できる価格 − 修理または解体の費用 − 業者の経費と利益

この式のうち、「再販売できる価格」と「修理または解体の費用」を左右するのが、傾きの程度・築年数・立地・土地の価値の4つです。

要素価格への影響査定で見られるポイント
傾きの程度大きいほど修理費が増え、価格が下がる床だけの傾きか、基礎や地盤から沈んでいるか
築年数古いほど建物の価値は小さくなる直して住める建物か、解体前提か
立地駅距離・生活利便性で再販売価格が変わる最寄り駅、坂の勾配、前面道路の幅
土地の価値築古なら価格の大半を占める面積・形・接道・擁壁の有無

築30年を超える木造住宅では、建物の価値はほとんど評価されず、土地の価値が価格の中心になります。この場合、傾きの影響は「建物を解体する費用がかかる」という形で価格に反映されます。

逆に築年数が浅い家では、建物を直して再販売する前提になるため、傾き修正の費用がそのまま価格から引かれます。同じ傾きでも、築年数によって価格の下がり方が違うのはこのためです。

仮に、傾きのない状態なら3,000万円で売れる家があるとします。業者が再販売価格を3,000万円、傾き修正費を400万円、経費と利益を500万円と見込めば、買取価格は2,100万円前後です。提示額の内訳を聞いて、どの費用をいくらと見ているのかを確かめると、ほかの業者の査定と比べやすくなります。

横浜の傾いた家を少しでも高く売るためのポイント(複数社査定・書類の準備など)

傾いた家を少しでも高く売るには、査定する業者の数を増やすことと、業者が費用を読みやすい材料をそろえることが効果的です。

買取価格の差は、業者ごとの「修理・解体の費用の見込み」と「再販売のしかた」の違いから生まれます。自社で工事部門を持つ業者は修理費を低く見込めますし、横浜の坂の多いエリアで再販売の実績がある業者は、土地の価値を高めに評価できます。1社だけでは、その金額が高いのか低いのか判断できません。2〜3社以上に査定を頼むと、相場の幅が見えてきます。

査定の前にそろえておくと、業者がリスクを大きく見積もらずに済む書類は次のとおりです。

  • 登記簿謄本(登記事項証明書)と公図・測量図
  • 建築確認済証・検査済証、建築時の図面
  • 過去の修繕やリフォームの記録、見積書
  • 地盤調査や建物診断(インスペクション)の報告書があればその写し
  • 擁壁がある場合は、擁壁の工作物確認や検査の書類

書類がなくても査定は受けられます。ただ、業者は不明な点を「余分にかかるかもしれない費用」として価格から差し引くことが多いため、手元にあるものは出したほうが価格面で有利です。

室内の荷物を片付けたり、ハウスクリーニングをしたりする必要はありません。買取業者は残置物の処分費も見込んで価格を出すため、売主が先にお金をかけても、その分がそのまま価格に上乗せされるとは限らないからです。

傾いた家は修理と買取のどちらがお得?費用を比較

多くの場合、修理せずに現状のまま買取に出すほうが、手元に残るお金は多くなります。傾きの修理には数百万円かかることが多いうえ、その費用を売却価格で取り戻せる保証がないからです。

ここでは、修理・地盤改良と解体にかかる費用の目安を示したうえで、どんなときに修理や解体が割に合うのかを比べます。

傾いた家の修理・地盤改良にかかる費用

傾きの修理費用は、傾きの原因と工法によって大きく変わります。床の仕上げ材や床下の束だけを調整すれば済むケースから、基礎の下に杭を打ち込む大がかりな工事まで幅があります。

工法内容費用の目安工期の目安
床のレベル調整床下の束を調整したり、床を張り直したりして水平にする数十万円〜数日〜
土台上げ工法基礎と土台の間をジャッキで持ち上げて水平にする200万〜400万円2〜3週間
耐圧版工法基礎の下に鋼板を敷き、ジャッキで建物を持ち上げる200万〜400万円2〜3週間
薬液注入工法地盤に薬液を注入して固め、その圧力で建物を持ち上げる250万〜400万円1〜2週間
アンダーピニング工法基礎の下から固い地盤まで鋼管杭を打ち込んで支える400万〜600万円以上3〜4週間

床だけが傾いているなら比較的安く直せます。地盤が沈んで家全体が傾いている場合は、建物を持ち上げる工事と地盤の対策が両方必要になり、300万〜600万円程度かかることが珍しくありません。家が大きい、地盤が深くまで軟らかい、といった条件が重なると1,000万円近くになることもあります。

注意したいのは、工事の前に地盤調査や建物の調査が必要で、その費用も別にかかる点です。原因を特定しないまま建物だけを持ち上げると、地盤の沈下が続いて再び傾くおそれもあります。

解体して更地にしたほうがよいケース

解体して更地にしたほうがよいのは、建物の価値がほとんどなく、土地を探している買主が多いエリアで、時間をかけて売れる場合です。

木造住宅の解体費用は、1坪あたり3万〜5万円程度が目安とされ、延床30坪前後の家なら100万〜150万円前後になります。道幅が狭く重機が入れない、坂の上で廃材の運び出しに手間がかかる、といった横浜で多い条件では、さらに高くなることがあります。

解体を検討できるのは、次の条件がそろうときです。

  • 建物が古く、直して住む価値がない
  • 前面道路が建築基準法上の道路で、建て替えができる
  • 土地の形や広さが、新しく家を建てる人に好まれる

反対に、解体を急ぐと損をするケースもあります。住宅が建っている土地は固定資産税が最大6分の1に軽減されていますが、1月1日時点で更地になっていると、その年からこの軽減がなくなります。売却に時間がかかれば、その間の税負担が重くなります。

再建築不可の土地は、解体すると新しい家を建てられない土地になり、かえって売りにくくなります。解体は売れる見通しが立ってから考えるのが安全です。

横浜市には、昭和56年5月以前に建てられた耐震性の低い住宅の除却に、上限50万円の補助を出す制度があります。ただし工事に着手した後は対象外になるため、使う場合は解体の契約前に横浜市の窓口へ相談が必要です。

修理せず現状のまま買取に出すほうがお得になりやすい理由

修理せずに買取に出すほうが得になりやすいのは、修理費の全額が売却価格に上乗せされるわけではないからです。

例えば、400万円かけて傾きを直しても、買主から見れば「傾きを直した築古の家」です。修理歴のある家は、再び傾くのではないかと心配され、相場どおりの価格で売れるとは限りません。修理費として400万円を払い、売却価格は200万〜300万円しか上がらなかった、という結果も起こり得ます。

比較項目修理してから売る現状のまま買取に出す
売主が先に払う費用修理費・調査費(数百万円)なし
売れるまでの期間工事期間+販売期間で数か月〜早ければ2週間前後
売却後の責任修理した箇所も含めて責任を負う可能性免責の特約にできることが多い
価格上がるが、修理費ほど上がるとは限らない修理費分が差し引かれる

買取業者は、自社や提携先の工事会社で修理するため、個人が工事を発注するより費用を抑えられます。さらに、修理して住むか、解体して土地として売るかを物件ごとに選べるため、同じ家でも売主が自分で直すより効率よく価値を引き出せます。

修理にお金をかけるかどうか迷っているなら、まず現状のままの買取査定を受け、修理費の見積もりと並べて比べてください。手元に残る金額で比べれば、どちらが得かがはっきりします。

横浜特有の条件がある傾いた家も買取できる?

坂道やがけ地に建つ家、接道の条件が悪く建て替えができない家も、買取の対象になります。横浜市は市域のおよそ60%が丘陵地といわれ、がけの上や下に家が建てられてきた歴史があるため、こうした条件の家を扱い慣れた買取業者も少なくありません。

ただし、横浜にはがけに関する独自の条例や、宅地の造成を規制する区域の指定があり、それが価格や買主の見つけやすさに影響します。仲介では敬遠されやすい条件ほど、買取を検討する意味が大きくなります。

坂道・がけ地に建ち、擁壁の老朽化や地盤沈下がある家

擁壁が古い、がけの近くにある、といった家も買い取ってもらえます。ただ、建て替えや擁壁の作り直しにかかる費用が大きくなりやすいため、価格への影響は平地の家より大きくなります。

横浜市建築基準条例の第3条、いわゆるがけ条例では、高さ3mを超え、勾配が30度を超えるがけの下端から、がけの高さの2倍以内の範囲に建物を建てたり敷地を造成したりする場合、安全な擁壁などを設けるよう定めています。高さ4mのがけなら、がけの下端から8m以内が対象です。

今の家がこの範囲にあると、建て替えるときに擁壁の新設や作り直し、建物の構造の工夫などが求められ、その分だけ費用がかかります。買取業者は、この費用を見込んで価格を出します。

擁壁の傾きやひび、水抜き穴からの濁った水などは、擁壁の内側の地盤が動いているサインのことがあり、家の傾きと関係している場合もあります。擁壁を作り直すとなると、規模によっては数百万円から1,000万円を超えることもあるため、売主が自分で直すより、そのまま買取に出すほうが負担は軽く済みます。

横浜市では、がけ地の安全対策工事に崖地防災対策工事助成金を設けています。工事費の3分の1、工法ごとの単価で出した額、限度額400万円のうち、いちばん少ない額が助成されます。高さや位置を変えずに補強する工事には、工事費の2分の1(工法により上限100万円または50万円)を助成する崖地減災対策工事助成金もあります。住み続けるなら活用を検討したい制度ですが、自己負担は残り、工事期間もかかるため、売却を決めているなら、まず現状のままの査定額と比べるのが先です。

横浜市は2025年4月1日に、盛土規制法にもとづいて市全域を宅地造成等工事規制区域に指定しました。区域内で一定規模以上の盛土や切土、擁壁の工事をするには許可が必要です。擁壁の作り直しを前提にした土地は、この手続きの分も含めて買取業者が判断します。

がけ崩れのリスクを知るには、横浜市の土砂災害ハザードマップで、物件が土砂災害警戒区域などに入っているかを確かめておくと、査定のときの説明がスムーズです。

接道条件が悪く再建築不可になっている家

前面の道路が狭い、道路に接している部分が短いなどの理由で再建築不可になっている家も、買取の対象になります。

建築基準法では、建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないと定めています(第42条・第43条)。これを満たさない土地では、今の家を解体すると新しい家を建てられません。横浜の古い住宅地には、細い路地や階段状の通路の奥に建つ家があり、このケースが少なくありません。

道幅が4m未満でも、建築基準法の「2項道路」に指定されていれば、道路の中心線から2m下がった線を道路の境界とみなすことで建て替えができます(セットバック)。この場合、下がった部分は敷地として使えなくなるため、その分だけ土地の価値は下がりますが、再建築不可よりは評価が高くなります。前面の道路が2項道路かどうかは、横浜市の窓口で調べられます。

再建築不可の家は、住宅ローンを使う一般の買主にはほとんど売れず、仲介では買主が見つかりにくいのが実情です。傾きが加わると、さらに条件は厳しくなります。

買取業者は、建物をリフォームして賃貸に出す、隣の土地の所有者に売る、隣地と合わせて接道を確保する、といった活用方法を持っているため、再建築不可で傾いた家にも値段を付けられます。仲介で断られた家でも、こうした物件の買取実績がある業者に相談すると、話が前に進みやすくなります。

横浜で傾いた家を売却・買取した事例

傾いた家がどう評価され、いくらで売れたのかは、条件の近い事例を見るといちばんイメージしやすくなります。ここでは、横浜で多い3つのタイプについて、査定で見られたポイントと結果を紹介します。

築古で床が傾いた戸建ての買取事例

築年数が古く、床の傾きが目立つ戸建ては、建物を直して再販売するか、解体して土地として売るかで評価が分かれます。どちらの前提で価格が出たのかを見ると、自分の家の査定額を読み解く手がかりになります。

地盤沈下や擁壁に問題がある家の買取事例

地盤沈下や擁壁の老朽化がある家は、擁壁の作り直しや地盤の対策にかかる費用をどう見込んだかで価格が変わります。がけ条例の対象かどうか、助成金を使える工事かどうかも判断材料になります。

他社で売却が難しいと言われた物件の買取事例

仲介の不動産会社に「買主が見つからない」と言われた物件でも、買取なら売れることがあります。仲介で売れなかった理由と、買取で値段が付いた理由を並べると、買取を選ぶ意味がよくわかります。

横浜で傾いた家の買取業者を選ぶ3つのポイント

傾いた家の買取業者は、訳あり不動産の買取実績、契約不適合責任の免責への対応、複数社の比較の3点で選ぶと失敗しにくくなります。傾いた家は業者ごとの査定額の差が大きく、どこに頼むかで手取りが数百万円変わることもあるためです。

傾いた家や訳あり不動産の買取実績があるか

傾いた家や、がけ地・再建築不可などの訳あり不動産を買い取った実績がある業者を選ぶと、適正な価格が出やすくなります。

実績のある業者は、傾きの原因の見立て、修理と解体のどちらが合うかの判断、工事費の見積もりを自社で素早くできます。不明な点をリスクとして大きく差し引く必要がないため、価格にも反映されやすくなります。

横浜の物件なら、坂の多いエリアやがけ地、狭い路地の奥の家を扱った経験があるかも確かめておきたい点です。公式サイトの買取事例を見るほか、問い合わせのときに「傾いた家や擁壁のある家の買取実績はありますか」と聞くと、答え方で経験の有無がわかります。

査定のときに、傾きの程度や原因、修理費の見込みなど、価格の根拠を具体的に説明してくれる業者は信頼しやすい相手です。

現状買取と契約不適合責任の免責に対応しているか

修理や片付けをせずに「現状のまま」買い取ってくれるか、売却後の契約不適合責任を免責にしてくれるかは、必ず確かめてください。

契約不適合責任とは、売った家に契約の内容と違う欠陥があったときに、売主が買主から修理や代金の減額、損害賠償などを求められる責任のことです。民法では、買主が欠陥を知ってから1年以内に売主へ伝えれば責任を追及できると定めているため、何もしなければ売却後もしばらく不安が残ります。

買主が不動産会社の場合、この責任を負わない特約(免責特約)を付けて契約できます。宅地建物取引業法は、不動産会社が売主になるときに買主に不利な特約を制限していますが、不動産会社が買主になる取引は対象外だからです。傾いた家のように欠陥が見つかりやすい物件では、この免責特約の有無が売主の安心に直結します。

現状買取と免責特約に対応しているかは、査定の段階で業者に確認し、契約書の条文にも入っているかを見ておくと安心です。

1社で決めず複数社の査定を比較する

傾いた家の査定額は業者によって大きく違うため、1社だけで決めず、2〜3社以上の査定を比べて決めるのがおすすめです。

査定額に差が出るのは、修理費の見込み、再販売の方法、得意なエリアが業者ごとに違うからです。比べるときは金額だけでなく、次の点もあわせて見てください。

比べる点確認すること
査定額の根拠修理費・解体費・再販売価格をいくらと見ているか
現状買取の範囲残置物の処分や測量を業者負担にしてくれるか
免責特約契約不適合責任を免責にしてくれるか
決済までの期間希望の時期に現金化できるか
手取り額費用を差し引いた後に手元に残る金額

査定額が飛び抜けて高い業者は、契約直前になって「調べたら傾きがひどかった」と大きく減額するケースもあります。査定額の根拠と、減額になる条件をあらかじめ聞いておくと、こうしたトラブルを避けられます。

傾いた家を売却する前に確認したい注意点

傾いた家を売る前に確認したいのは、不具合の告知、免責の条件、手取り額の3点です。どれも売却後のトラブルや「思ったより手元に残らなかった」という後悔につながりやすいところです。

建物の傾きや雨漏りなどの不具合は正しく告知する

傾き、雨漏り、シロアリの被害、配管の不具合など、売主が知っている不具合はすべて買主に伝えてください。

不具合を隠して売ると、後から見つかったときに損害賠償や契約の解除を求められるおそれがあります。民法では、責任を負わない特約を結んでいても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れないと定めています。免責特約は、知っている不具合を隠してよいという意味ではありません。

傾きは、床にボールを置く、水平器を当てるといった方法で誰でも確かめられるため、売主が気づいていなかったと主張するのは難しい不具合です。

告知するときは、口頭だけでなく「物件状況報告書(告知書)」に書いて渡すと、伝えた内容が記録に残ります。いつごろから傾いているか、ドアや窓の開け閉めに支障があるか、過去に修理したことがあるかなど、わかる範囲で具体的に書いておくと、後で言った言わないのトラブルになりません。

契約不適合責任の免責条件を契約書で確認する

査定のときに「免責で大丈夫です」と言われても、契約書に書かれていなければ意味がありません。署名の前に、免責の条文とその範囲を必ず確かめてください。

確認したいのは次の点です。

  • 契約不適合責任を「負わない」と明記されているか
  • 免責の対象が建物だけか、土地(地盤・地中の埋設物など)も含むか
  • 「引渡しから3か月間は責任を負う」など、期間を区切った条件になっていないか
  • 設備の不具合を別扱いにしていないか

土地については、地中から古い基礎やがれきが出てきたときの扱いが問題になることがあります。傾きの原因が地盤にある家では特に、土地も含めて免責になっているかを確認しておくと安心です。

わからない条文があれば、その場で業者に説明を求めてください。説明があいまいなまま契約を急がせる業者は避けたほうが安心です。

査定額から差し引かれる費用と最終的な手取り額を確認する

査定額がそのまま手元に入るわけではありません。売却にかかる費用と税金を差し引いた手取り額で、業者どうしを比べることが大切です。

費用内容・目安買取の場合
仲介手数料400万円超の物件は売買価格×3%+6万円+消費税が上限かからない
印紙税売買契約書に貼る。1,000万円超5,000万円以下なら1万円(軽減税率)かかる
抵当権抹消費用登録免許税は不動産1個につき1,000円、ほかに司法書士報酬ローンが残っていればかかる
測量費境界が確定していない場合業者負担にできることもある
残置物の処分費家具や家電などの処分現状買取なら不要なことが多い
譲渡所得税・住民税売却益が出た場合。所有5年超なら20.315%利益が出ればかかる

傾いた家の売却で、譲渡所得税がかかるほどの利益が出ることは多くありません。ただ、親から相続した家や、昔に安く買った土地は、取得費がわからず利益が大きく計算されることがあります。購入時の売買契約書を探しておくと、税金を抑えられる場合があります。

業者によっては、測量費や残置物の処分費を買取価格から差し引く場合と、業者負担にする場合があります。査定額だけを見ると高く見えても、差し引かれる費用を入れると、ほかの業者より手取りが少なくなることもあります。手取り額で書いた見積もりを出してもらうと、比べやすくなります。

横浜で傾いた家を買取してもらうまでの流れと期間

傾いた家の買取は、相談、現地調査と査定、契約、引き渡しの4つのステップで進みます。相談から現金化までは、早ければ2週間前後、一般的には1か月程度が目安で、住宅ローンの残債や相続登記の有無によって前後します。

【図解案】相談→現地調査・査定→売買契約→引き渡し・代金受領の4ステップと、それぞれにかかる日数を横並びで図示

STEP1. 買取業者に物件の状態を伝えて相談する

まずは電話やメール、問い合わせフォームで、買取業者に物件の情報と状態を伝えます。この段階で伝えておくと、査定がスムーズに進む情報は次のとおりです。

  • 所在地、土地と建物の面積、築年数
  • 傾きに気づいた時期と、気になる症状(床の傾き、建具の不具合、壁のひびなど)
  • 擁壁やがけの有無、前面の道路の状況
  • 住んでいるか空き家か、住宅ローンが残っているか
  • 売りたい時期の希望

この時点では、住所や面積などから出す概算の価格(机上査定)を伝えられることが多く、早い業者なら当日〜数日で返事があります。傾きの原因がわからなくても、相談するうえで問題はありません。

STEP2. 現地調査・査定を受ける

次に、業者の担当者が現地を訪れて、建物と土地の状態を確かめます。傾きの程度は、レーザー測定器や水平器などで部屋ごとに測るのが一般的です。基礎のひび、擁壁の状態、前面の道路の幅、隣地との境界なども見ます。

現地調査にかかる時間は1〜2時間程度で、売主の立ち会いが必要です。空き家で遠方に住んでいる場合は、鍵を預けて調査してもらえる業者もあります。

調査の後、数日〜1週間程度で正式な買取価格が提示されます。このときに、価格の根拠と、差し引かれる費用、引き渡しまでの条件をまとめて確認しておくと、ほかの業者と比べやすくなります。

STEP3. 買取価格に合意して売買契約を結ぶ

提示された価格と条件に納得できたら、売買契約を結びます。契約では、契約書と重要事項の説明を受け、物件状況報告書(告知書)を渡します。

契約の前に確認したいのは、契約不適合責任の免責、引き渡しの日、手付金の額と支払い時期、残置物の扱いです。契約書に署名した後は、正当な理由なく契約をやめると手付金の放棄や違約金が発生するため、疑問は署名前にすべて解消してください。

契約時には、売主の本人確認書類、実印と印鑑証明書、登記済権利証または登記識別情報が必要です。相続した家で名義が亡くなった方のままになっている場合は、先に相続登記を済ませる必要があるため、早めに司法書士へ相談しておくと手続きが滞りません。

STEP4. 引き渡し・代金受領(相談から現金化までの目安期間)

決済の日に残りの代金を受け取り、同時に所有権を移す登記の手続きをして、鍵を渡せば完了です。住宅ローンが残っている場合は、受け取った代金でローンを完済し、抵当権を抹消する手続きも同じ日に行います。

ステップ期間の目安
相談・机上査定当日〜数日
現地調査・正式査定数日〜1週間
売買契約条件の合意後すぐ
引き渡し・代金受領契約から1〜3週間程度
合計早ければ2週間前後、一般的には1か月程度

住みながら売る場合は、引っ越し先が決まるまで引き渡しを待ってもらえるかを、契約前に相談しておきます。相続登記が済んでいない、境界の確認に時間がかかる、といった事情があれば、その分だけ期間は延びます。

横浜の傾いた家の買取に関するよくある質問

どのくらい傾いていると欠陥住宅扱いになる?

1000分の6以上の傾きは、構造上の欠陥がある可能性が高いと判断される目安です。床なら3mで18mm以上の高低差にあたります。1000分の3以上1000分の6未満でも、建具が閉まらない、壁にひびが入るなどの不具合が出ていれば、欠陥として扱われることがあります。買取なら、傾きの程度にかかわらず査定を受けられます。

傾きの原因が分からなくても査定できる?

原因が分からなくても査定できます。建物の劣化か、地盤の沈下か、擁壁の動きかは、買取業者が現地調査で見立てます。売主が自分で地盤調査や建物診断を依頼する必要はありません。過去に調査を受けたことがあれば、その報告書を見せると、より正確な価格が出やすくなります。

相続した傾いた空き家も買い取ってもらえる?

相続した空き家も買い取ってもらえます。昭和56年5月31日以前に建てられた家なら、一定の条件を満たすと、売却益から最高3,000万円を差し引ける相続空き家の特例を使える場合があります。買主が売却の翌年2月15日までに解体や耐震改修をすれば対象になるため、買取業者に売るときも使えることがあります。相続登記を済ませておくことが売却の前提です。

住宅ローンが残っている傾いた家も売却できる?

ローンが残っていても売却できます。買取代金でローンを完済し、決済の日に抵当権を抹消するのが一般的な流れです。買取価格がローンの残高に届かない場合は、差額を手持ちの資金で用意する必要があります。まずは金融機関でローンの残高を確認し、査定額と比べてください。

まとめ|横浜の傾いた家は修理する前に買取査定を受けよう

横浜の傾いた家は、修理や解体をしないそのままの状態で買い取ってもらえます。この記事のポイントを振り返ります。

  • 床の傾き、地盤沈下、不同沈下のどれでも買取の対象になる
  • 買取価格は「再販売できる価格−修理・解体費−業者の経費と利益」で決まり、市場価格の6〜8割程度が目安
  • 修理には数百万円かかることが多く、その分が売却価格で戻るとは限らない
  • がけ地・擁壁の老朽化・再建築不可といった横浜特有の条件も、扱い慣れた業者なら値段が付く
  • 業者は、訳あり物件の買取実績、契約不適合責任の免責、手取り額の3点で比べる

修理の見積もりを取る前に、まずは現状のままの買取査定を2〜3社に頼んでみてください。査定は無料で受けられ、手元に残る金額がわかってから、修理するか売るかを決めても遅くありません。

空き家の扱いに迷っている場合は、横浜市の「空家のこれから相談窓口」(0120-830-458)でも、処分方法や業者探しの相談ができます。

※掲載情報が誤っている場合があります。最新情報は各サービスの公式HPにてご確認ください。

この記事を書いた人

井上のアバター 井上

横浜のおすすめ情報を発信していきます。

目次