コンタクトレンズを装用していると、目が疲れやすいと感じることはありませんか?
視力を補正しながら快適に過ごせるはずのコンタクトですが、使い方や選び方によっては、かえって目の負担になってしまうこともあります。
ここでは、コンタクトレンズによる目の疲れの原因と、その対策について詳しく解説します。
快適な視界を保つためのポイントを押さえて、目の疲れを軽減しましょう。
コンタクトレンズ装用時の目の疲れの原因
コンタクトレンズを使用していると、目の疲れを感じることがあります。
これはさまざまな要因が関係しており、適切な対策を取らないと症状が悪化することもあります。
ここでは、コンタクトレンズ装用時の目の疲れの主な原因について詳しく解説します。
度数が合っていないレンズの使用
視力に合わない度数のコンタクトレンズを使用すると、目が余分な調整をしようとするため、ピントが合いにくくなり、目の疲れを引き起こします。
特に、長時間近くのものを見続ける場合、度数が強すぎるとピントを合わせるために目の筋肉が過度に働き、疲れやすくなります。
また、乱視の矯正が不十分な場合も視界がぼやけやすく、目に負担がかかります。
適切な度数のレンズを使用することが、目の疲れを軽減するために重要です。
レンズの酸素透過率が低い
コンタクトレンズは目に直接装着するため、角膜が呼吸するための酸素を十分に供給できるかどうかが重要です。
酸素透過率が低いレンズを使用すると、角膜に必要な酸素が不足し、目が酸欠状態になります。
これにより、充血や疲れを感じる原因となります。
特に、長時間装用する人や、乾燥しやすい環境にいる人は影響を受けやすいです。
酸素透過率の高いシリコーンハイドロゲル素材のレンズを選ぶことで、目の負担を軽減することができます。
長時間の装用による負担
コンタクトレンズを長時間装用すると、目に大きな負担がかかります。
レンズを装着している間は涙の循環が制限され、目が乾燥しやすくなるだけでなく、角膜への酸素供給も減少します。
その結果、目の疲れや充血、かすみ目などの症状が現れやすくなります。
特に、パソコンやスマホを長時間使用する場合は、まばたきの回数が減り、さらに乾燥が進むことがあります。
快適にコンタクトレンズを使用するためには、装用時間を守り、適度に目を休ませることが大切です。
目の乾燥やドライアイの影響
コンタクトレンズを装用すると、涙の蒸発が促進されやすくなり、目の乾燥が進むことがあります。
特に、ドライアイの人は涙の量が少ないため、レンズが目に張り付きやすく、異物感や疲れを感じやすくなります。
また、エアコンや暖房の効いた乾燥した環境では、さらに目の潤いが奪われ、不快感が増します。
こうした乾燥による負担を軽減するには、こまめにまばたきをする、加湿器を活用する、コンタクトレンズ対応の目薬を使うなどの工夫が必要です。
目の疲れを軽減するための対策
コンタクトレンズによる目の疲れを防ぐには、適切な対策を講じることが大切です。
度数の見直しやレンズの選び方、使用時間の管理、乾燥対策などを意識することで、目の負担を軽減できます。
ここでは、具体的な対策方法について紹介します。
定期的な眼科受診で適切な度数のレンズを選ぶ
視力は時間とともに変化するため、現在使用しているコンタクトレンズの度数が合わなくなることがあります。
度数が合わないレンズを使い続けると、目のピント調整機能に負担がかかり、疲れやすくなります。
そのため、定期的に眼科を受診し、視力検査を受けて適切な度数のレンズを処方してもらうことが重要です。
また、乱視や遠視・近視の程度も考慮し、自分の目に合ったレンズを選ぶことが、快適な装用につながります。
酸素透過率の高いレンズを使用する
目の健康を維持するためには、酸素透過率の高いコンタクトレンズを選ぶことが重要です。
酸素透過率が低いレンズを使用すると、角膜が十分な酸素を取り込めず、疲れや充血、さらには角膜のトラブルを引き起こすことがあります。
特に長時間装用する場合や、ドライアイの人は影響を受けやすいです。
現在はシリコーンハイドロゲル素材のレンズが主流となっており、従来のハイドロゲル素材よりも酸素を多く通し、目への負担を軽減できます。
コンタクトレンズを選ぶ際は、酸素透過率の高い製品を選ぶようにしましょう。
装用時間を守り、適度な休憩を取る
コンタクトレンズの装用時間を守ることは、目の健康を維持するために重要です。
長時間装用すると、角膜への酸素供給が減少し、目が疲れやすくなるだけでなく、ドライアイや充血などのトラブルが発生しやすくなります。
特に、1日使い捨てタイプ以外のレンズを使用している場合は、装用時間を超えて使わないよう注意が必要です。
目の疲れを防ぐためには、1日の装用時間を8〜12時間以内に抑え、帰宅後はできるだけ早めに外すようにしましょう。
また、長時間パソコンやスマホを使用する際は、1時間ごとに5〜10分程度の休憩を取り、目を休ませることも効果的です。
コンタクトレンズ対応の目薬で乾燥を防ぐ
コンタクトレンズを装用していると、涙の蒸発が促進されやすく、目が乾燥しやすくなります。
特に、エアコンが効いた室内や長時間のデスクワークでは、乾燥による不快感や疲れを感じやすくなります。
こうした乾燥対策として、コンタクトレンズ装用中でも使用できる目薬を活用するのが効果的です。
防腐剤が含まれていない人工涙液タイプの目薬を選ぶと、目に優しく、こまめに点眼することで潤いを保つことができます。
ただし、防腐剤入りの目薬や成分がレンズに付着しやすいものは使用を避け、適切な製品を選ぶことが大切です。
日常生活で取り入れたい目のケア方法
コンタクトレンズによる目の疲れを軽減するには、日常生活の中で意識的に目をケアすることが大切です。
目の乾燥を防ぎ、血行を促進し、疲れを溜めにくくする習慣を取り入れることで、快適にコンタクトレンズを使用できます。
ここでは、簡単に実践できる目のケア方法を紹介します。
意識的にまばたきを増やす
パソコンやスマホを長時間使用していると、無意識のうちにまばたきの回数が減ってしまいます。
まばたきが少なくなると、涙が蒸発しやすくなり、目の乾燥や疲れの原因になります。
特にコンタクトレンズを装用していると、裸眼のときよりも乾燥しやすいため、意識的にまばたきを増やすことが大切です。
1時間ごとに数回、ゆっくりと深くまばたきをすることで、涙の分泌を促し、目の潤いを保つことができます。
目を温めることで血行を促進する
目の疲れを和らげる方法のひとつとして、目を温めることが効果的です。
目の周りの血行が良くなると、酸素や栄養が十分に行き渡り、疲れが軽減されやすくなります。
特に、長時間コンタクトレンズを装用して目が疲れたときや、パソコン作業の後などに温めると、リラックス効果も期待できます。
蒸しタオルや市販のホットアイマスクを使い、5〜10分ほど目を温めると、こわばった目の筋肉がほぐれてスッキリとした感覚になります。
就寝前の習慣として取り入れると、目の疲れが翌日に残りにくくなります。
パソコンやスマホの使用時に適切な距離と姿勢を保つ
長時間パソコンやスマホを使用すると、目のピント調節機能に負担がかかり、疲れやすくなります。
特に、画面との距離が近すぎたり、姿勢が悪かったりすると、より目の負担が大きくなります。
目の疲れを防ぐためには、パソコン画面は目線よりやや下に配置し、40〜50cmほど距離を取るのが理想的です。
スマホは目から30cm以上離し、長時間の使用を避けることが大切です。
また、画面の明るさを調整したり、ブルーライトカット機能を活用することで、目の負担を軽減できます。
正しい姿勢を意識しながら、適切な距離を保つことが快適な視界を維持するポイントです。
定期的に遠くを見て目の筋肉をリラックスさせる
近くのものを長時間見続けると、目のピント調節に関わる毛様体筋が緊張し、疲れの原因になります。
これを防ぐために、意識的に遠くを見る習慣を取り入れることが重要です。
パソコン作業やスマホの使用中は、1時間に1回程度、窓の外の景色や遠くの物を20秒〜30秒ほど眺めることで、目の筋肉がリラックスし、疲れが軽減されます。
また、「20-20-20ルール」と呼ばれる方法を実践するのも効果的です。
これは、20分ごとに20フィート(約6メートル)以上離れたものを20秒間見るというルールで、目の疲れを予防するのに役立ちます。
こうした習慣を身につけることで、コンタクトレンズを快適に装用しやすくなります。
コンタクトレンズの選び方と使用上の注意
コンタクトレンズを快適に使用するためには、自分の目に合ったレンズを選び、正しい使い方を守ることが重要です。
間違ったレンズ選びやケア不足は、目の疲れやトラブルの原因となるため、注意が必要です。
ここでは、コンタクトレンズを選ぶ際のポイントや、使用時の注意点について解説します。
自分の目に合ったレンズ素材を選ぶ
コンタクトレンズには、ハイドロゲル素材やシリコーンハイドロゲル素材など、さまざまな種類があります。
ハイドロゲルは水分を多く含み、装用感がやわらかいのが特徴ですが、酸素透過率は比較的低めです。
一方、シリコーンハイドロゲルは酸素透過率が高く、長時間装用に適していますが、やや硬めで乾燥しやすいことがあります。
自分の目の状態やライフスタイルに合った素材を選ぶことが、快適な装用につながります。
また、乱視用や遠近両用など、視力矯正の目的に応じたレンズを選ぶことも大切です。
レンズの清潔を保つための正しいケア方法
コンタクトレンズを安全に使用するためには、適切なケアを行い、清潔な状態を保つことが重要です。
汚れたレンズを装用すると、目の充血や炎症、感染症のリスクが高まります。
ソフトコンタクトレンズを使用している場合は、毎日のこすり洗いとすすぎを徹底し、専用の保存液で清潔に保ちましょう。
また、ハードコンタクトレンズは専用の洗浄液でしっかり汚れを落とし、定期的に酵素洗浄を行うことが推奨されます。
さらに、レンズケースも細菌が繁殖しやすいため、定期的に交換し、しっかり乾燥させることが大切です。
正しいケアを行うことで、快適にコンタクトレンズを使用できます。
使い捨てレンズの適切な交換頻度を守る
コンタクトレンズには、1日使い捨て、2週間交換、1ヶ月交換など、さまざまなタイプがあります。
これらのレンズはそれぞれ決められた交換頻度があり、使用期限を過ぎて装用すると、レンズの劣化や汚れの蓄積によって目の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、2週間や1ヶ月タイプのレンズは、毎日のケアが必要であり、適切に管理しなければ細菌の繁殖リスクが高まります。
決められたスケジュールを守り、定期的に新しいレンズに交換することで、目のトラブルを防ぎ、快適にコンタクトレンズを使用することができます。
目に異常を感じたらすぐに眼科を受診する
コンタクトレンズを装用していると、目の乾燥や充血、異物感などの違和感を感じることがあります。
軽い症状の場合は、目薬をさす、レンズを外して休憩するなどの対策で改善することもありますが、痛みやかすみ目、強い充血などの異常がある場合は、速やかに眼科を受診することが大切です。
我慢してコンタクトレンズを使い続けると、角膜炎や角膜潰瘍などの重篤なトラブルにつながる恐れがあります。
特に、レンズを外しても症状が改善しない場合や、視界がぼやける、光がまぶしく感じるなどの異変がある場合は、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
コンタクトレンズで目が疲れるのまとめ
コンタクトレンズによる目の疲れは、度数の不適合や乾燥、長時間の装用などが原因となることが多いです。
快適に使用するためには、適切なレンズ選びや正しいケア、こまめな目の休息が欠かせません。
目に違和感を感じたら無理をせず、眼科で相談することも大切です。
日常のちょっとした工夫で、目の負担を減らし、快適なコンタクトライフを送りましょう。